起業家育成プロジェクト「放課後起業クラブ」を終えて、号泣した私が心底伝えたいこと。

おダシエピソード
2022/7/19
おダシエピソード
2022/7/19

2022年3月14日、兵庫県の豊岡から東京に帰るべく、電車「はまかぜ号」に乗り片道約6時間。
長めの旅路とプロジェクトの疲労と緊張により私の足はつり気味、
お酒にやられて朝から真っ白だった誠吾さんを横目にしつつ、
なんとも言えない幸せな爽快感に包まれていました。

 

2022年3月13日、放課後起業クラブ最終日

約4ヶ月間・全12回の講座にわたる『放課後起業クラブ』の最終日。

「働く幸せを感じるかっこいい大人を増やす」「真の顧客は子どもたち」と
志を掲げるインビジョンが、ずっとやりたくて仕方なかった中高生への教育事業。
起業家育成の文脈で、兵庫県の豊岡市と一緒に今回この念願のプロジェクトが実現しました。

「豊岡に住みたい!と思える若者を増やすための事業計画をプレゼンせよ」というお題の元、
12名の参加者が、起業に必要なマインドやアイデアをビジネスとしてカタチにするプロセスを学びます。

最終日は、現存する日本最古の劇場建設『永楽館』でのプレゼンテーション。
豊岡市役所職員の方や、信用金庫常務理事、起業家支援相談員、西村屋さんの代表という大物人物が見守る中、最終日のプレゼンが幕を開けました。

たくさんの人の心を動かしたこの放課後起業クラブ。
この大きなPJの企画とプロジェクトマネージャーをやらせていただいた、
私、坂牧が、代表して今回のプロジェクトを経ての思いの丈を綴ろうと思います。

 

自分で参加を意思決定した彼らに、本気で向き合いたい。

さかのぼること約4ヶ月前。
初回はインビジョン豊岡オフィスの『とゞ兵』で、放課後起業クラブの参加メンバーと顔合わせ。
高校生が一番多いながらも、最年少は中学2年生、社会人も数人。

参加動機やバックグラウンドはそれぞれで、
学校に意味を見出せず不登校になりアフリエイトでお金を稼ぐ中学生や、
人見知りで全く人と話せない自分を変えたいと思い参加した高校生。
純粋に何かを為したい!とにかく起業したい!という人もいれば、
今までの自分とは違う何かに変わるきっかけが欲しいともがいてる人もいて。

そんな彼らの自己紹介を聞き、いてもたってもいられなく、
講座終了後に「ちょっといいですか」と柄にもなく前に出た自分に驚いたことを覚えています。

その時私がどうしても伝えたかったのは、
現状がどうあれ、今までがどうあれ、周りがどう思ったとしても、
自分で何かを意思決定した時点で素晴らしいということ。
そりゃあ、人間生きてりゃ思うようにいかない自分になっちゃうことだってありますが、
人間完璧じゃないんだから当たり前。大人も同じです。
そしてそれは今までの話であって、自分の意思決定次第で未来なんていくらでも変わる。

それぞれきっかけは違いながらも、自分で考え参加するという意思決定をした彼らに感動したこの日が、「このプロジェクト、私も本気でやろう」と腹を括った瞬間でもありました。

 

「正直、現状思考停止してしまっています」

教育事業として初めての試み。やっぱり、紆余曲折ありました。

『初金星』『チームジャングル』『アート+』というチーム単位で動いていたのですが、それぞれのチームに常に講師が張り付いてフォローすることも難しく、ワークが思うように進まなかったり。
そもそもの意欲にバラつきがあったり、チーム内でコミュニケーションがうまくいかなかったり。
メンバーの巻き込みができずにチームがなかなか一つになれなかったり。

皆で家に集まって、たくさん話し合いしたチームもあれば、
なかなかメンバーが揃わず、本番直前までプレゼン練習どころか、企画すら詰まりきっていないチームもありました。

特に『初金星』チームは、企画が二転三転し、前々日まで全く形にできていない状況。
21時頃、「正直、現状思考停止してしまっています。わからなくなってしまった」という連絡が入り、ZOOMの向こうには暗いメンバーたちの顔。
なんとかしたくて暗い雰囲気をなんとか明るくしようとしてみたり、私もアイデアを振り絞ろうとするけれど、いまいちスルスル進まない。
誠吾さんも一緒になんとか打開の道を見つけたものの、本番大丈夫だろうか?と本気で不安。

もっとフォローできてれば…という気持ちを抱えながら迎えた本番。

 

プログラム終了後、茫然と立ち尽くした。

最終日当日、永楽館。予定通りの13時に開演。
映像チームが作ってくれたオープニングムービーから始まり、プレゼン、優勝チームの発表と特典の贈呈、一人一人へのメッセージを込めた認定証授与と参加者からのコメント。

全てのプログラムが終了した時、
主催者側の人間として、片付けやフォローにまわらないといけない中、
私は茫然と立ち尽くしていました。

動かなきゃいけないと思うのに、何も考えられなくて、
こんなの初めての状態で、自分でもどうしたらいいのかわかりませんでした。
そんな姿を見た参加者の一人の高校生の女の子あやかちゃんが、
泣きながら私に抱きついてきてくれて、そこで私も大号泣。
異常な量の涙が出てくるのに、感情が渋滞して、
自分がなんで泣いているのかもその時はわかりませんでした。

 

マイペースで芸術肌なメンバーが集まったチーム『アート+』

音楽が得意なメンバー田原くんのギター演奏から始まるプレゼン演出。
とはいえ人生初の舞台上での演奏。
プレゼン直前、お調子者キャラだった田原くんが言った「大丈夫です、もうやるしかないです。終わったら励ましてください」という一言と真剣な表情は忘れられません。

ギターはもちろん、プレゼンもスムーズに進行。
声を張り上げるなんてキャラじゃない不登校の中学生奏くんが、「お母さん、学校行くよ」と直筆で書かれたTシャツ文字を大声で読み上げ、見に来ていたお母さん号泣。

終わった直後に、頑張ったねって皆に声をかけたら、「緊張した〜」とかっていう感想じゃなくて、返ってきたのはまさかの放課後起業クラブへの感謝の言葉でした。

 

どのチームより練習して、どのチームより絆を育んだ『チームジャングル』

皆で家に集まって、カレーを食べながら合宿したり、一緒に山登りをして絆を深めながら、
プレゼン練習を何度も何度も一日中やりぬいたチームジャングル。

人見知りで全く人と話せず、どど兵の玄関まで来て「すみません、やっぱり無理でした」と講座に来ることすらしんどかった高校生かっちゃん。そんなかっちゃんが、臆さず堂々とプレゼンする姿。プレゼン準備のMTGで、難易度の高い寸劇を、舞台上でやるか、動画で撮影しておくか悩み議論していた中、かっちゃんが「(舞台で)やります」と確かな口調で言った時、このチームのメンバーは一人の人生を変えたのだと思いました。

プレゼン練習の時、「6時間もかけてきてくれてるインビジョンさんに、あんなしょぼいプレゼンを見せてしまっていることが、自分自身も含めて許せない。自分は絶対勝ちに行きたいし、終わったときに勝っても負けてもやり切ったって言いたい」と言って放課後起業クラブメンバー全員に鼓舞の発信を自走してくれた26歳樹くんの男泣き。

皆で集まり、フィードバックを誰より真剣にメモし、改善を回しながら、伝わってくる楽しそうなエネルギー。「作り手が楽しむ」、この姿に私たちも大きく学ばされました。

 

前日まで企画が詰まらず、一番チームコミュニケーションに悩んだチーム『初金星』

一人どうしてもメンバーが来れなくなり、予定より一人減ってのプレゼン。
ほぼぶっつけ本番で永楽館に来るまで泣いてしまったメンバーもいたくらいのプレッシャーの中、それでも堂々とやり遂げ、あれだけ詰まっていなかった企画も、しっかり形に。

「チームより個人」だったリーダーが壁にぶち当たり得た気づき。
控え目だったメンバーが、ハッキリした口調で豊岡を変えたいという想いを伝える姿。
その熱い想いに、審査員も心動かされ、優勝候補にまで上がりました。
舞台裏で見ていた私は、心が震え、プレゼンが終わった後、メンバーたちと舞台裏で無言で抱き合っていました。

 

つまるところ、『己がかっこいい人間で在れ。』

人が勇気を出す瞬間を見たこと、
人が変わる姿を目の当たりにしたこと、
そのきっかけに、この放課後起業クラブがなれているということ。
ゼロの企画段階から最終日まで、しんどい時もありながら、全部やりきったぞって達成感、終わりへの寂しさ。
尽力してくれた人への感謝、仲間の心強さ。
気づきも含め、むしろ私たち側がもらったことの方が多いのかもしれません。

夜、ホテルに帰る道で、プロジェクトメンバーあかねに「いま、働く幸せ感じてますね」って言われた時に、「そういえば、これって働いてたのか」って驚くくらいの感覚でした。
仕事かどうかなんて忘れるくらい、あまりに心が満たされていたんだと思います。

 

インビジョンの志、「働く幸せを感じるかっこいい大人を増やす。」
そのために何が必要なのか?放課後起業クラブを通して、その結論が私の中で明確になりました。

 

結論、己がかっこいい人間で在れ。

 

何をするかって、あんまり実は関係ない。

 

楽しんで企画を練るメンバーに私たちが感染させられたように、
本当に気づきを与えられたのは、講座内容じゃなくて目と目を見て話した時間だったように。
一人の発信が参加者全体の雰囲気を変えたように、
人を変えるのは、やはり人。
腹の底から人の心を動かすのは、手法やスキル、ロジックじゃなくて、人の想いや生き様です。

「自分がやってることが、本当に誰かを感染させられるんだろうか?」なんていう、
「何をするか」はあまり重要でなくて。

つまるところ、自分が自分を誇れるような、かっこいい自分で在るということ。

これが、このプロジェクトを経て私が得た大きな学び・決意。

そして皆に伝えたいこと。

 

後にメンバーの一人丈太郎が送ってきてくれた4000字以上の感謝文『放課後起業クラブ後記』の中で、「人は出会うべき時に、出会うべくして出会う」と書いてある部分がありました。
そうだとしたら、目の前の人やこれから出会う人との関わりはどんな意味を持つのか。
その人たちを感染させられるだけの自分になっていたいし、それが自分の使命でもあると思ってます。

 

どうしても真面目なもので、真面目なこと言っちゃいましたが、
要は人生面白がってりゃ最高ってことです。笑

 

おまけ。
youtubeラジオ「ちょいとダシ話」で、放課後起業クラブについて語っているので、こちらも聴いてみてくださいね〜!
▶︎ちょいとダシ話「放課後起業クラブ」

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