自分の発信を受け取るのは「いち想いを持った一人の人間」なんだよな。
現在、絶賛タッチポイントをアップデート中のインビジョン。
顧客戦略の中でもHRハッカーのリニューアルが最優先事項だと常日頃思っていた私は、LPや営業資料などの広報物を含むHRハッカーの全タッチポイントのリニューアルを任せていただいた。その過程で、インフォメーションに偏った、思いっきり誰の心にも残らない広報物を作成してしまう。誠吾さんにも「大地がそうなっちゃうのが悲しい」と言わせてしまう始末。
昔から「心」を何よりも大切にする大人たちに囲まれて育ったにも関わらず、顧客戦略に深く携わるうち、私自身がいつしか「技」ばかりに目を奪われ、「心」を蔑ろにしてしまっていた。
人の心に遺る広報って、なんだ?そんな迷走状態に陥っていた矢先、近しい人の訃報に触れた。
もろもろ整理していると、亡くなる直前までコラムを認めていたことが判明した。故人と私は国家観が非常によく似ていて、よく日本の話で盛り上がっては、「こういう世の中にしていきたい」などとお互いの考えを語り合っていた。周りはやれやれと呆れ半分で見ていたが。(ちなみに私の国家観はこちら)
政治や日本民族などのテーマから、孫の成長日記まで。気づけば私は、夜を徹して没頭して読み込んでいた。畏怖の念を抱きつつも、「どこか優しい人だったな〜」と思い出にひたりながら。


ふと思った。何故故人は、私が夜を明かすほど没頭して読み込んでしまう言葉達を遺せたのか。
懐かしい記憶が甦る。
私がかつて「花火葬」という、粉骨を花火に込めて打ち上げる葬送を日本で実現しようと奮闘していたときの話だ。
一番悩んだサービス名、その名を「境(きょう)」にしたことを思い出した。
境とは仏教の言葉で、私たちが五感や心で感じ取る「対象」そのものを指す。
生前のその人の生き様、価値観、姿見などを花火としてデザインして開花させることによって、故人の「境」として後世に繋いでいこうと考え、名付けた。
遺族は毎年打ち上がる花火を見上げては、生前の故人を偲び、畏怖の念を抱き、襟を正して生きていく。これを日本で実現したかったのだ。
故人が残したコラムは、「調子に乗らず、お陰様の気持ちを忘れずに。」と残された家族へ向けた、いかにもその人らしさ満点の「境」そのものだった。家族はそれを見て襟を正し、ご先祖様の名に恥じぬよう実体をもって生きていく。まさに花火葬の考え方と同じだ。コラムの言葉に触れた瞬間、私の中で故人の生き様が鮮やかに打ち上がった。
本人の肉体が無くなっても言葉が遺り、後世に価値観として繋がれ、人々の心を動かすのは、そこに強烈な「実体」があるからだ。己の「心(存在意義)」を真っ直ぐに生きている人は皆、その実体を言葉として遺していきたいのではなかろうか。
翻って、これは「企業」や「チーム」の広報にも全く同じことが言える。
心(存在意義)や独自の価値観といった「想い」を持っているのであれば、それを言葉にし、発信すべきだ。インビジョンでは、、、いわずもがなです。(リンクチェックしてみてください)
しかし、現代の情報発信は、条件や聞こえの良い言葉だけを並べた、類似化した薄っぺらい情報で溢れかえっている。どんなに素晴らしい「心」を持っていても、それが「技(プロダクト)」や「体(組織)」、そして顧客との「タッチポイント」に一貫して宿っていなければ、一瞬で情報の大波に埋もれるだけで、夜を徹して読むに値しない。

私がHRハッカーの広報物で陥っていたのは、まさに「心なき情報の羅列」だったのだと、故人に言われているような気がしてならない。
現在インビジョンでは、社内外のタッチポイントである自社コラムを、この一年でさらに磨きをかけている。例えば
・わざとらしい構図や、読んでくださいと言わんばかりのバナーを一新
・言葉と、そこから滲み出る温度感や差し込み画像デザインの一致感
・作り手の実体がコラムに境として宿っているか(ここ一番大事)
など様々チェック項目があり、5回チェックに出しても通らない人もいる。
ただこうしてコラムを書いていると、書いている私たち自身が一番学びが多いのでは?なんてふと思ったりもした。
タッチポイントとは、単なる顧客や求職者との接点ではない。
「私たちは世の中をこうしたい」という心そのものだ。19期4月、私たちが『HRハッカー』を大幅にリニューアルしたのも、単なる機能のアップデートではない。自らのタッチポイントに心を宿し、私たちの実体を社会に届けるためのはじめの一歩だ。
最後に。
自分の発信を受け取るのは「いち想いを持った一人の人間」なんだよな。
自戒を込めて、このコラムを書いています。

この記事を書いた人

執行役員営業本部長
沸騰屋/営業
佐々木 大地
21歳でホームレスとなり日本、世界旅を経て消防庁へ入庁。退庁後は代議士の鞄持ちを経て独立、官民連携仲介システムを開発し500を超える企業と100を超える行政の連携を支援。その後インビジョンにて地域事業者、地方自治体を中心に後継者採用に向き合う。ライフスポーツはラグビー、ポジションはスタンドオフ。
