事業承継 したら社員が半数に減っちゃったお話

2024/5/2
2024/5/2

はじめまして。ダシトレ開発責任者の佐々木です。

まずはじめにに簡単に自己紹介をさせてください。21歳でホームレスとなり日本や世界を旅した後、公務員になりましたが、方法論だけの表面的な働き方改革と組織運営、学びの意欲が低い組織に嫌気がさし、2年ほどで退庁しました。

その後は代議士の鞄持ちや青年部の運営等政治活動を経て独立、官民連携仲介システムを開発し、500を超える企業と100を超える行政の連携を支援してきた過去があります。

今回のお話はその事業を後継者に引き継いでもらう過程のお話ですが、結果的にはメンバーが半分以上退職し、かなり迷惑をかけてしまいました。彼が精神的に強くなければ、潰れていたかもしれません。
実際に 事業承継 してみて感じたリアルを書いていますので、今まさに渦中にいらっしゃる方の参考になれば嬉しいです。

 

なぜ 事業承継 は難しいのか?

会社を経営していると「改めて会社のことを考え直さなければ、、」と思うタイミングが急に来ると思います。例えば下記。
・出口戦略、M&A
・幹部の交代、離職
・メンバー離職がすごく増える
・代表の個人的な節目
・世の中からのリクエストが大きく変わるタイミング(最近であればコロナ)

私自身であれば「甦れ、日本」のスローガンの元、今後日本を良くしていくと確信している今の事業をどのように伸ばしていくか?と考えた時に「今の体制では志が実現できないかも、、」と考えはじめたのがきっかけでした。そしてこれを進めるにあたり大きな問題が3つありました。

1つ目:チーム/組織よりも個を重んじる社会的風潮

私たちは、世界最古の血筋を今日まで承継する国、100年以上続く老舗企業の数が世界一の国・日本に生まれ、働いています。歴史に学ぶと、いつも日本は「チーム戦」でした。

ところが今日の世の風潮は「チーム/組織<個」。自分のことしか考えていない、忠恕の足りない人が多くなってきているのが今の日本の現状です。

そんな中「チームをどうしていくか?」を腹から相談できる同じ視座を持った人が、当時の私の周りには少なかったです。

2つ目:自分の考えていることが社内外の関係者に全く伝わらない

これは受け取り手、発信者両方に原因があります。自分の脳内を「言語化」「構造化」してわかりやすく伝える努力をしてこなかった私自身に原因がありますし、受け取ったとしても理解できるのか?といった受け取り手のスペックの問題もあります。

あまりにも自分の伝えたいことの真意が伝わらず、メンバーにがっかりしていく経営者は多いのではないでしょうか。

3つ目:そもそも何を相談すればいいかもわからない

様々なステークホルダーに相談を持ちかけようにも、何を相談していいかわからない状態でした。

そんな状況に追い込まれ、本来は自責思考の権化のような私が、いつしか「世の中は自分の敵ばかりだ」とメンタル四面楚歌&他責状態になってしまいました。

この状況で、最も重要な「価値観」の部分をすっこ抜いた上部だけの事業承継の相談を後継者にして、結果的にかなり苦労させてしまうことになります。

 

残念ながら、メンバーは会社を信頼していない

日本の「自分の会社への信頼度」は最下位(画像は「エデルマン・ジャパン」の調査から)

結論から言うと、会社を引き継ぐ過程で、結果的にメンバーは半分以上離脱しました。

私は義理人情をとても大切にして生きてきました。
メンバー一人ひとり、それぞれ私とのストーリーがあります。当人からすると恩着せがましいかもしれませんが、お互い助け合ってここまでやってきました。ですので私が頼めば後継者が望む形で、それぞれ力を貸してくれると思っていました。しかしそんな甘い考えは、すぐ否定されることになります。

各メンバーとのコミュニケーションの過程で「結局人間、最後は自分のことしか考えない」ということがわかりました。当たり前だろ、と言われれば返す言葉もありません。会社がピンチになる、大きく変化する、業務内容や雰囲気が自分には合わない、となれば働いている会社を変える、それだけです。(職場環境が心身に大きな影響を及ぼす場合もあるため、転職自体を否定する意図はありません)

このタイミングで「一緒にやっていきましょう!」と考え、実際に動いてくれる人は、日本の全人口でほんのちょっとしかいません。

最終的には残るか迷っているメンバーと後継者間の衝突もあったり、シンプルに人手が足りなくなったり、結果的にすごく大変な思いをさせてしまいました。彼のメンタルが強くなかったら、多分潰れていたと思います。

 

”継承”ではなく”承継”

正直いうと、当初去るメンバーはなんて不義理なんだろうと思っていました。しかし内省すると、原因は私自身にありました。

何をするにも”価値観”が一番大切

そもそも価値観とは「チームの中で大切にされている想い、らしさ」のことを言い、下記の3要素で構成されています。
・志=会社が事業を通じて実現すること
・義憤=自分の道理に反することへの怒り
・信念=自分の信じるもの

私は会社を興してから、大切にしたいど真ん中の価値観や、会社が目指す未来の姿を言語化/構造化せず、なんとなくやっていました。それでは後継者含む社内に浸透するはずがなく、ちょっとしたことですぐにバラバラになってしまいます。血の通ったチームとは程遠い状態です。

メンバー一人ひとりの想いの言語化や人間性のアップデートに関しても、一つも手をつけていませんでした。自分の想いを腹落ちしてもらうための努力も、腹落ちできる人材育成も怠っていました。そんな状態で、自分の欲求を一方的に満たして欲しいだなんてオーダーが機能するはずがありません。

事業承継は「想いも一緒に引き継ぐ」という意があります。事業のみを引き継ぐ継承とは全く異なるわけです。チームを次の世代に承継してくためには「価値観」が何よりも大切であり、ここをすっこ抜いて小手先の薄っぺらい方法論のみで事業承継を行った私は、結果的に後継者に絶大な迷惑をかけてしまったわけです。

会社を引き継ぐ時、あるメンバーに「あなただからついてきた」と言われました。今の社員さんは、結局のところ貴方のことが好きで会社にいるんです。人間はどこまで行っても感情的な生き物で、幸せになるために生まれ死んでいきます。小手先の方法論よりもまずは人間界普遍の原理原則を抑えた上で、事業承継を行う必要があるのです。

 

いずれ死ぬじゃないですか

もし事業承継を考えておられるのであれば、血の通ったチームにするための仕組みづくり、それが経営者の最後の仕事だと考えています。人間は死ぬのだけは確実に決まっているので、早めに備えておきましょう。

ダシトレの想い

私たちは、世界最古の血筋を今日まで承継する国、100年以上続く老舗企業の数が世界一の国・日本に生まれ、働いています。歴史に学ぶと、いつも日本は「チーム戦」でした。

ところが今日の世の風潮は「チーム/組織<個」。自分のことしか考えていない、忠恕の足りない人が多い現代に、日本の根本的危機を感じずにはいられません。

ですので私たちインビジョンは、日本の誇るべき資産、老舗企業のチーム力を国内・世界に発信し次の100年に承継し、守っていきます。全国の地方新聞社と連携し、このダシトレを広める活動を通じて「和の心」という人間界普遍の原理を日本に再び甦らせ、世界へ承継していきます。

琴線に触れるものがあれば、是非とも対面でお話を訊かせてください。

▼こちらからご連絡お待ちしております。

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