人の価値観、生き様はググっても出てこない。入社式で流した生い立ちムービーと、新入社員の涙。

奥羽盃屋のセールスを担当している間々田です。
前職は「ぐるぐるナインティナイン」のアシスタントディレクター。
インビジョンが設立して3ヶ月後に入社、インビジョンの年齢=社歴です。

今は福島民報社様と一緒に、福島県の人材にお困りの企業様の課題解決、採用成功に向けた伴走をしています。数えてみたら昨年は、1年間で365回、お客様との定例ミーティングをしていたみたいです。

セールスとしては致命的ですが、滑舌が悪すぎて、私が話しても相手にちゃんと伝わっているのはせいぜい20%くらい(笑)。さすがに限界を感じたので、せめて文字なら100%伝わるはずだと思い、コラムを書くことにしました。入社して19年目、数えきれないほどの新入社員を見てきた中で、今回は、入社式で上映する新入社員に向けた「生い立ちムービー」について紹介したいと思います。

ポチる時代の贈り物に、心は宿るのか?

誕生日プレゼントも、就職祝いも、スマホひとつで完結する時代になった。Amazonでポチれば翌日には届くし、カタログギフトやギフトカードを送れば相手が好きなものを選べる。効率よく、無駄なく、簡単になった。「タイパ」「コスパ」という言葉が当たり前になった。便利になったはずなのに、正直どこか寂しい…。
一方で、「温かみがあるから」「人間味があるから」「手間をかけることによって味が出るから」といった理由で昭和・平成のレトロブームも起きている。手紙、手料理、わざわざ会いに行くこと、検索で出てこないものほど、なぜか心に残る。思えば昭和・平成には、そうした「手間」が当たり前にあった。

・年賀状を一枚一枚手書きして、相手ごとに一言添える
・お中元やお歳暮は、わざわざ持参して挨拶をしてから渡す
・フィルムカメラで撮った写真は、現像を頼んで数日待ってから受け取る
・想いを伝えたい相手には何度も書き直した手紙を渡す
・ラジオ番組やジャンプへのハガキ投稿(いわゆる、はがき職人)
・出会い系サイトの掲示板には「似ている芸能人」の記載のみ、一か八かで当日会う

思い返すと、昭和・平成の時代って「タイパ」も「コスパ」もそんな言葉すらなかった。むしろ、「不便」や「手間」しかなかった。その手間をかけた先にあったのは、どれだけ便利になっても、効率化が進んでも代替できないもの、検索では決して見つからないものだった。その人がどんな価値観を持ち、どんな生き様でここまで歩いてきたのか。名前を打ち込んでも、SNSを遡っても、そこには出てこない。本人と向き合い、その人を知る人たちに会いに行かなければ、決してたどり着けないリアルな情報だ。

人生に一度きりしかない新卒としての入社式。新入社員への「最初の贈り物」として、自分たちにしか作れない、検索では決して出てこないものを用意できたら? インビジョンでは、それを「生い立ちムービー」という形で実現している。卒業式や結婚式、人が成長してきた節目の時に今までを振り返る、アレだ。

バレたら終わり?新入社員に内緒で進める極秘取材と締切前夜の胃が痛くなる作業。

毎年、この「生い立ちムービー」を制作するのは新入社員の1つ上の先輩社員たち。休日に新入社員の地元の兵庫県豊岡市に伺い、ご両親や恩師、友達への撮影を行い、編集も担当したメンバーに話を聞いてみた。

ーー実際やってみてどうだった?
全撮影が終わって、帰り道はもうテンション爆上がりでした。インビジョンが積み上げてきた歴史の恩恵と、「本物は引き寄せ合う」をすごく実感させてもらったリアル体験で、めちゃくちゃエモくなっちゃいました。あの現場自体が、自分たちにとってはある種、究極のオンボーディングだったんです。

ーー大変だったことは?
撮影した素材たちが良すぎて、そのプレッシャーで編集に入る前から武者震いで怖くなって…。ただ、絶対、新入社員のたなべっちに喜んでもらおうと、色味ひとつにもこだわって、上映当日ギリギリまで作業してました。何十時間分もの素材から、一人の人生をたった数分に詰め込むので、思った以上に終わりが見えなくて。あとは、「生い立ちムービー」が上映されるまでネタバレしないかって、この期間は毎日心臓がバクバクでした(笑)。休日出勤が一番アツくなる会社ってまじやばいっすね。

涙腺崩壊?本人の言葉でわかった、「生い立ちムービー」の本当の価値。

そこまでやって、なんで作るんだろう?作り手のただの自己満足?新入社員に本当に想いは伝わったのか?本当に価値があるかどうかは本人のリアクションを見てみないとわからない。では、「生い立ちムービー」を実際に見た新入社員のリアルな声をそのまま紹介したい。

誰かに見せるために整えた文章じゃなくて、感情がそのままダダ漏れになったような一文。読んだ瞬間、こっちまで胸が熱くなった。「生い立ちムービー」は本人に気づきを与えるだけでなく、その先の誰かへの恩返しの連鎖まで生み出していた。

ググっても出てこないのは、その人の過去だけではない。過去にきちんと向き合った先に生まれる、こうした感情の動きそのものが、検索では絶対に手に入らないものなのだと思う。

本当に大切なものは、検索窓の外にあった。

手間をかけることこそが、相手を大切に思う気持ちの証明になる。そしてその手間は、言葉にしなくても、必ず相手に伝わる。豊岡の撮影現場の熱量も、「生い立ちムービー」を10回リピートしたという涙まじりの投稿も、それを何より物語っていた。

ポチる時代に、あえて足を運ぶという選択。
どれだけ検索技術が進化しても、名前を打ち込むだけでは絶対に出てこないものがある。その人がどんな価値観を持ち、どんな生き様でここまで歩いてきたのか。新入社員の関係各所に連絡して、ご両親や恩師、親友に話を聞き、実際に足を運んで撮影に行かなければ、たどり着けなかった情報だ。「生い立ちムービー」の中身は、最初から最後まで、検索では一切出てこないものでできていた。

贈る側も、実は贈られていた。
面白いのは、この贈り物が新入社員だけのものではない、ということだ。「生い立ちムービー」を作る1つ上の先輩たちもまた、ご両親や恩師、親友に話を聞き、素材と向き合う中で、自分自身の価値観や「らしさ」を再確認させられている。贈っているつもりが、いつの間にか自分も贈られている。この一方通行ではない構造にこそ、「生い立ちムービー」の本当の価値があるように思う。


……って、大まじめに書いちゃいましたが(笑)。

この会社にずっといて、社長に一番ブチギレられたのは、ミスをした時に直接お客さんに謝りに行かず、電話だけで済ませてしまったことでした。直接謝りに行かないと、誠意も伝わらないし、お客さんが今どれくらい怒っているのか、温度感もわからない。電話越しじゃ絶対に伝わらないものがあるって、あの一件以来、身をもって学びました。

ぐるナイのADをしていた頃から大好きな出川さんの「ヒューマン&ヒューマン」という言葉、今の時代だからこそ、大事だなと思うんです。効率化がどれだけ進んでも、結局は人対人。会ってみないと、温度感も気持ちも伝わらない。だからこそ、生い立ちムービーみたいに手間のかかった贈り物には、ちゃんと意味があるんだと思うんです。

あなたの身近な人への贈り物や、関わり方にも、まだ手間をかける余地、残っていませんか?



▼「生い立ちムービー」撮影の裏側の様子
https://youtube.com/shorts/iSOkphQYNSE?si=8V26JeVebo0bL1pX

▼新入社員、たなべっちのインターン時代のコラム
https://www.invision-inc.jp/column/20241225-tanabe-intern/

▼そんなインビジョンのコンテンツ、良ければ巡ってみてください。
https://www.invision-inc.jp/media/

この記事を書いた人

間々田 裕次

セールス
奥羽盃屋

間々田 裕次