メンバー
もぐって、みつめて、ねっころがって。人間のねっこを探す旅。
インビジョン入社前の経歴
生を、浴びに行く。
「—— 風が天を洗っていったんだ…
耳の奥に、むかし聞いた幼なじみの言葉がよみがえってきた。
そのとたん、涙があふれた。
冷え切った頬に、あとからあとから熱い涙が伝った。
腐った下種たちと怒鳴りあい、犬や人を突き刺し、殴られ、びしょぬれのドブネズミみたいになってふるえている自分のくだらなさが胸にせまってきて、涙が止まらなかった。」
これは、私が小学生の頃に初めて読み、それ以来何百回も読み返している愛読書、『守り人シリーズ』の一節だ。
文化人類学者の上橋菜穂子さんが描くこの物語では、ひとりひとりの人生から、民族や国家の政治、歴史、自然界、さらには生き物の営みを超えた大いなる流れまでが、幾重にも織り重なりながら進んでいく。
大地と天のあいだで、流れゆく時間を生きる人間。生まれ落ちた時代や土地を引き受け、がんじがらめになってもがむしゃらに生きる姿。
月光が照らす霜の輝きや、馬に乗って草原を駆け、耳元でなぶるように吹く風。
頭の中に築かれた壮大な世界は、幼い私の心に、「いろんな人が見ている世界を知りたい」という好奇心を植え付けた。
しかし、頑張って受験勉強をして入学した中高一貫の女子校では、世界がどんどん縮んでいくような感覚を覚えた。
初回の授業から、課題の山。与えられた正解を延々と暗記する日々。厳しい校則で縛られ、テストの点数で価値を決められる。
将来いい大学に入り、大企業に就職するために、今、偏差値を競うのだそうだ。
だからなんだ。
学ぶことは大好きなのに、ぜんぜん楽しくない。
正解と効率が重視されるモノクロのシステムの中で、人がロボットのように見えた。
「人の世界は、もっと複雑で、鮮やかで、生々しいはずなのに。」
終わりの見えない牢獄の中にいる気分だった。
はやく、はやく、ここから抜け出して、人間を人間たらしめるものを全身で浴びたい。
高校卒業後は、鳥籠から放たれた鳥のように、衝動に任せて外の世界へ飛び出した。
リュック1つで東南アジアを旅し、タイの山岳民族の村で暮らした。
山奥でキャンプし、出会った人と焚火を囲み、夜が明けるまで語り合った。
インドに飛び込み、1000年以上前から伝わる土着の修行僧を探して旅をした。
伝統的な舞・石見神楽を見るために、島根で自転車を漕ぎ回した。
行く先々でその土地の人の暮らしにお邪魔し、内側から彼らが見ている世界を見ようとする。
その土地で、その人が、何を信じ、何を大切にし、どんな風に暮らしてきたのか。
辺境の山で慎ましく生きる人々、ガンジス川のほとりで祈りを捧げる修行僧、チャイを売るおじさん…
知るたびに、世界が、少し近くなる。豊かに、鮮やかになっていく。
世界に対して開かれるたびに、自分自身も少し自由になる。
あぁ、私、生きてる。
インビジョンに入社した理由
人間であり続けるためのパンク
システムの中で人間らしさを失って生きるのがとにかく嫌だった。
人が、無機質な機能として扱われるのは見たくなかった。
そんな私は、”就活”なるものにも違和感を抱いていた。
きっと、モヤモヤの正体は、働くことが生きることから切り離されているように見えることだ。
社会では、自分の時間を会社に差し出し、組織の一部としての機能を担い、その対価としてお金を受け取る。それが「働くこと」とされているように見えた。
感情、意味、偶発性、混沌、そんなものはコンクリートを流し込まれてカチコチに固まる。
人間の一番面白い部分が、そぎ落とされていく。
遊ぶように、生きるように、働きたかった。
人間らしく生きたい。そして、その延長線上に仕事があってほしい。
そんな時に見つけたインビジョン。
「あ、本物だ」と直感的に感じた。
ひとりひとりの「こう生きたい」がそのまま働くことになっている。
生きることと仕事の間に境界線がない。
人間らしさを押し殺してまで求める利益よりも、
内側から湧いてくるものをほとばしらせながら働いた先に、
本当の価値が生まれるはずだ。
最終面接では、社長の誠吾さんと面接をした。
人間ってやつは、日本で受け継がれるチームワーク、言霊、インサイドアウト、おダシ…
面接っていうよりも、頭の中を共有して遊んでいる感覚。
「そう、私がずっと考えていたことはそれなんです!!」と興奮していたら、あっという間に面接は終わっていた。
旅で探し求めていたものが、ここにも流れていた。
入社後の光と影
不機嫌な絶望出身者から、ご機嫌な理想主義者へ
昔から、現代社会や都市の生活を眺めては、そこにある息苦しさや搾取の哀しさばかりが目につき、イライラを募らせていた。
そんな私の見方を大きく揺さぶったのが、ある取材だった。
10月の雨の日。取材記事執筆の勉強のため、ももさんのインタビューに同行させてもらった。
電車とバスを乗り継いで辿り着いたのは、成田基礎さんという建築会社。
重機がたくさん置かれている現場にお邪魔した。
そこで、若手精鋭の齋木さん、ベテランの富樫さん、そして専務の竹田さんという3人の職人さんへのインタビューを見学した。
赤裸々に仕事への想いを語ってくれる彼ら。
これまで、私が思い描いていた”労働”とは、無機質な社会の歯車になることだった。
しかし、御三方のお話を聞く中で、労働とは、人と人の関係の中にあり、誰かに奉仕する人生の喜びにもなり得ることを知った。
若手の齋木さんは、「もともとはお金に惹かれてはじめた仕事だった。でも今は、一緒に働く仲間が大好きで、一緒にいたいから、いい仕事がしたいと思ってる。そのためにもっと勉強して技術を高めたい。」
ベテランの富樫さんは、「後輩たちとは、従来の仕事だけの上下関係ではなく、一緒に雑談したり遊んだり、でも働く時は本気で働くという、人と人としての関係を築いていきたい。彼らには、“この人について行きたい”と思われるような、頼りにされる人間になってほしい。」
専務の竹田さんは、「働くってのは、人が人とやって人から仕事をもらうものだからね。感謝すること、正直であること、利他的であること。そして決めたことを一生懸命やること。結局これだけだね。」
生き様が、渋カッコイイ。
仕事の話をしているはずなのに、聞こえてくるのは、仲間への愛や人生の美学、自分の腕への誇りだった。
これまで、社会の仕組みや構造ばかりに目が向いていた。でも、一歩中に入ってみれば、実際にそこに生きる人たちは、仕組みだけでは説明できない思いや誇りを持って毎日を生きていた。
仕組みばかりを見ていては、知ることのできなかった人の姿。
私が大切にしたいものが、ここにもあった。
インビジョンは、そんな社会の光の部分を教えてくれた。
エネルギーの源泉
人間讃歌
人間の豊かさに、何度でも出会いたい。
その美しさに涙していたい。
社会的な仮面がはずれ、人がただの人間に還る瞬間。
自分たちの力を超えたものを前に、畏れ、祈り、踊り、叫ぶ。
何百年も前からご先祖様が住んできた土地で、歴史と暮らしを受け継いで生きる人々。
夜通し踊る中で、自他の境界が溶け出し、ひとつの円になっていくお祭の夜。
真の人間になることを目指し、来る日も来る日も音楽を奏で続けるインドの修行僧。
地べたに寝っ転がり、空を見上げた時に感じる感情。
酔っぱらって、街角で肩を組んで歌い、笑いあう人々。
人間の生の根っこに辿り着きたい。
自己と他者の、
身体と精神の、
現在と過去の、
日常と非日常の、
自分と世界の、
境界を溶かしていきたい。
そんな欲求に突き動かされて、今日も世界を感じる。
心が動くモノ・コト108
- 焚き火
- 豪雨を浴びること
- 屋上に寝っ転がって空を眺めること
- 木登り
- 日向ぼっこ
- ぼーっとすること
- 大気の匂いの変化で季節の変わり目を感じる瞬間
- 放浪の旅、バックパッカー
- バスや電車の窓から景色をぼーっと眺める時間
- 頭の奥深くの部分、感覚を共有する会話
- ふわふわなぬいぐるみ
- 猫
- タイのチェンライの山奥に住むソーダという黒いわんちゃん
- ただの人と人として、社会的な肩書抜きで人と話す夜
- 何にも予定がない日にソファで本を読む時間
- 自転車旅で、上り坂を上るきつさと、その後に下り坂を駆け下りる爽快感
- スキーでカービングターンする時のギュイーーンッっていう感覚
- 南国のlaid-backな空気感
- 楽しそうに生きてる社不
- 感情のこもったハグ
- 極寒の夜にキャンプして、外で震えながら作って食べるラーメンの美味しさ
- 港町の雰囲気、漁師のがなり声
- 深いところまでたどり着いちゃったサシ飲み
- お気に入りのタオルが日に日にふにゃふにゃになっていく感覚
- お母さんの愛情
- ”いま”しか存在しない透明な時間
- 詩を読んで人間の結晶に触れる
- 食べて、遊んで、笑って、寝る一日
- すべてが黄金色に染まる夕方の時間帯
- 楽しい食事の後の満腹感と幸福感
- 当時聞いてた音楽を聴いて、もう戻れない過去を思い出して切なくなる瞬間
- 音を吸い込んでいく、真っ白な雪景色
- 野湯
- 自分なりの美学と誇りを持って生きてる人
- 文化人類学、民俗学
- センスのいい本がたくさん並んでいる小さい本屋
- 北海道のどこまでも続く真っ直ぐな道
- 起きたら部屋の中が朝日で明るい時
- そばにいてくれる人(家族や友達)
- 長野の戸隠の満月の夜
- 岐阜の郡上八幡の徹夜踊り
- インドのバラナシのガンジス川のほとり
- 八潮の歩道橋から見た、夕焼けに染まるビル群
- 大学の屋上と芝生
- 実家
- 仕事中にお昼寝する東南アジアの人々
- ディープで怪しげな公園飲み
- 裸足で歩くこと
- 鬼ごっこしよって言ったらいいよって言ってくれる人
- ハンモック
- 煙モクモクで常連さんだらけの汚めな居酒屋
- 山伏とほら貝
- 居酒屋の明太出汁巻き卵焼き
- 海苔、お寿司
- ”たゆとう”と”あえかな”という言葉の響き
- 深夜に高円寺のロータリーで開かれる弾き語り会
- インドのバウル(吟遊詩人)の村で朝まで演奏を聴いていた夜
- 民謡の、体の芯がゆすられるような響き
- 何百年も前から伝わるお祭、祈り
- シャーマニズム
- 盆踊りで踊り狂うスーツ姿のおじさん
- 土着の文化、暮らし、信仰
- 山のてっぺんで瞑想
- 感性が素敵な人
- インド人の愛に満ちた目と首クイッ
- ヒッチハイク中の人との出会い
- サイケ、テクノ、トランス
- 山の男、海の男、祭の男、渋いおじ様
- 冒険家
- 黒龍(日本酒)
- ビール
- ハイライト
- 大自然の中で、目の前には焚き火、上には満天の星で、お酒を片手に深い話をする時間
- 自他の境界が解け、溶けだしていく感覚
- 日本の原風景
- 精神世界の探求
- 長野の中条という里山
- 話している相手が、言葉を探して沈黙している時間
- 内側から湧き出てくるものを絞り出して表現に昇華してる人
- 進撃の巨人(アニメ)
- 青い春(映画)
- 素晴らしき世界(映画)
- もののけ姫(ジブリ)
- コクリコ坂のカルチェラタン(ジブリ)
- 岡本太郎の美の捉え方
- 『守り人シリーズ』『獣の奏者』『鹿の王』上橋菜穂子
- 『メメント・モリ』藤原慎也 ”ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。”
- 『ノルウェイの森』村上春樹
- 『アルケミスト』パウロ・コエーリョ
- 『斜陽』太宰治 "人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。"
- 『モモ』ミヒャエル・エンデ
- ”Brave New World” Huxley Aldous
- 『バウルを探して』川内有緒
- 『AV監督が映画を観て考えたフェミニズムとセックスと差別と』二村ヒトシ
- 『エゴイスト』高山真
- 『インド櫻子ひとり旅』阿部櫻子
- 『深い河』遠藤周作
- ♪Helios haruka nakamura feat. LUCA
- ♪Honesty Billy Joel
- ♪16 andymori
- ♪花 フジファブリック
- ♪空も飛べるはず スピッツ
- ♪流星群 鬼束ちひろ
- ♪picnic radwimps
- ♪普通の日々 エレファントカシマシ
- ♪ドロップ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
- ♪いつも何度でも 木村弓
- ♪満ちてゆく 藤井風

















